武藤英紀 | Hideki Mutoh Official Website

Round17 ホームステッド・マイアミ決勝結果Result : 20

2010年10月2日(sat)    天候 : 快晴 / 気温 : 29~31℃

IZODインディカー・シリーズは、2010年もチャンピオン争いが最終戦までもつれ込んだ。今年のタイトル候補は2人。ポイントリーダーのウィル・パワー(Team Penske)と、ポイント2位のダリオ・フランキッティ(Chip Ganassi Racing)だった。

金曜日の予選でフランキッティがポールポジションを獲得したことから、2人のポイント差は11点へと縮まった。決勝レースでフランキッティが最多リードラップを獲得し、ボーナスポイントをさらに2点加えて優勝した場合、パワーは2位でゴールしてもフランキッティに逆転され、1点差でポイントランキング2位に落ちることとなったのだ。

パワーには2人、フランキッティには1人のチームメートがいる。最終戦までもつれ込んだタイトル争いは、彼らのフィニッシュポジションも大きく関わってくる可能性が高まり、2チームによる総力戦の様相となった。

快晴の下、過ごしやすいコンディションでスタートが切られたレースは、フランキッティのリードで始まった。レース序盤は彼のチームメートのスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)が2番グリッドスタートから背後を守っていた。ところが、予選8位だったトニー・カナーン(Andretti Autosport)、予選4位だったライアン・ブリスコー(Team Penske)がディクソンをパスし、フランキッティからトップの座を奪い取ろうと迫った。

2人のライバルが激しくアタックを仕掛けたが、フランキッティのマシンは絶好調で、チームメートの援護を失ってもトップを守り続けた。彼らによる休みない攻撃を完全に封じ込めたフランキッティは、118周目にこのレースでの最多リードラップ獲得を決定し、ボーナス2点を追加した。

これでパワーは一気に不利へと陥った。タイトルを獲得するためには、フランキッティをパスして自らが彼より上位でフィニッシュするか、チームメートたちがフランキッティより上位へと進出しなければならなくなったのだ。

そのプレッシャーからか、パワーは135周目のターン4で壁にマシン右側をヒットさせてしまった。彼はアウトへと膨らむマシンをギリギリのところでコントロールし、ダメージを最小限に食い止めたかに見えた。しかし、ピットに戻るとリアサスペンションのアームが曲がっていることが判明し、その修理で5周以上をロス。順位も大きく下がった。

それでもTeam Penskeのクルーたちが驚くべき速さで作業を完成させ、パワーはフルコースコーション中にレースに復帰することを成功した。この時点で、まだフランキッティの逆転タイトルは決まっていなかった。

レースのリスタートが切られる前、パワーはマシンに異常を感じて再びピットイン。ここでフロントサスペンションにもダメージが発見されたことから、彼の最終戦は25位でのリタイアという残念な結果となった。

パワーのリタイアでフランキッティは逆転タイトルへと大きく近づいた。しかし、この後にフルコースコーションが連続して出され、チームごとにピットインするタイミングにズレが生じ、どのチームの採った作戦がベストとなるかはわからない展開となった。フランキッティ陣営は、燃料不足によるリタイアは確実に避ける慎重な作戦を採用。その結果、激しく順位を争っている中団グループを走らざるを得なくなった。

一方でChip Ganassi Racingはディクソンにギャンブル的な作戦を採らせた。そして、これが見事に的中した。ディクソンは174周目にトップに立つと、燃費をセーブしながらスピードを保ち、今シーズン3勝目へと逃げきった。

すさまじい2位争いを制し、ディクソンの後ろでゴールしたのはダニカ・パトリック(Andretti Autosport)で、3位はカナーン。Team Penskeはブリスコーが4位、エリオ・カストロネベスが5位と、最終戦は完敗に終わった。

フランキッティは慎重にゴールを目差し、8位でチェッカーフラッグを受けた。これでインディカー・タイトルを獲得するのは3度目。さらに、最終戦での逆転タイトル獲得は2009年に続いて2年連続となる。同時に、Chip Ganassi Racingはインディカー・シリーズタイトルの3連覇を達成した。


武藤英紀(Newman/Haas Racing)は26番手からスタート。トップグループとピットタイミングを変えてポジションを上げたシーンもあったが、その作戦は成功せず。それでも、レースが進む中でハンドリングを向上させ、20位でフィニッシュした。


武藤英紀コメント

昨日のプラクティスの後にマシンセッティングを大幅に変更しました。それはいい方向に出ていたと思います。今日の自分たちのマシンはリスタートなどでのハンドリングが悪く、集団の中でも安定していませんでしたが、レースが落ち着いてクリーンエアの当たる状態ではスピードを上げ、そこから何台かをパスしていくという戦いになっていました。全体的に見て、レースが進むにつれてマシンの状態はよくなっていったと思います。やっとマシンの調子が上がってきたところで最終戦を迎えたのは残念ですが、難しいマシンを走らせ続けたことでドライビングスキルも磨かれたし、マシンセッティングについては昨年まで以上に深く考え、多くを学べた一年でした。